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モノしろ の 「し」

モノしろ の 「し」

モノしろ4

6月11日
ぐー、すやすや・・・・ぐー、すやすや・・・・。
ちゅんちゅん。(雀とか鳥の鳴き声。)
薄目を開ける・・・。そこには、ハンサムな青年の寝顔が・・・。
そうか・・・昨日は白丸と一緒に寝ちゃったのか・・・全く、昨日の夜の出来事は忘れられそうにないぜ・・・・・・・
優明:「ってうおおおおおおおお!!!??なんで白丸が俺のベッドで寝とんねん!?ほら、はよ起きんか、白丸!!?なんでこないな男と男の世界が朝っぱらから展開されなあかんのやーー!?」
突如関西弁になってしまう「関西弁時間差ノリ突っ込み」が決まった。得点は高いぞ。
白丸:「やめろよ・・・優明。あぁ、ダメだって。そんなことしたら、俺・・・ムニャムニャ」
最悪な寝言を言う白丸。おい・・・。
優明:「なんて夢みてやがんだ!!はっはやく起きろ!!っていうか俺が攻!?白丸は受!?どっちでもいいけどそんな夢見ないでくれェェェ!!」
泣き叫ぶ俺。早くこいつを起こさないと。どういう神経してやがんだこいつ。
白丸:「年下攻・・・腐女子が喜ぶ・・・ムニャムニャ・・・」
優明:「お前は年上じゃないの!?腐女子にサービスなんかしなくていいから!!はやく目をさませぇっ」
白丸の顔をバンバン叩く。これ以上あらぬ夢を見させてたまるか。
このまま見続けさせたら今日から、白丸が俺を見る目が違ってきてしまう可能性だってあり得る・・・。
優明:「こうなったら・・・。リセットォォ!!」
必殺技。白丸の頭についているアクセサリーの「MENU」と「再生&停止ボタン」を20秒間長押しする。
白丸:「ぐはっ!」
苦しそうな声とともに、白丸が息絶える。
電源切ると死ぬんかい!?はよ起動せな!!
おっと、まだ関西弁ノリ突っ込みの名残利が・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いろいろあったが、無事白丸も起きてくれた。さりげなく確認してみたが白丸はそんな夢見ていないとのことなので安心した。
・・・・いや、俺が安心したかっただけなのかもしれない。
両親も帰ってきたみたいだが、今は疲れて寝室で眠っている。
優明:(父さんも母さんも大変なんだな・・・二人ともよく頑張ってくれてるなぁ。)
この分では、まる一日起きないだろう。

今日は、土曜日。紗代菜がうちに来るということなので、迎えに行こうと家を出る。
紗代菜の両親は、今日、外国へ旅行に飛び立った。店はしばらくおやすみするらしい。紗代菜もつれていこうとしたらしいのだが、紗代菜は行きたがらなかったそうだ。
ということで、今日から紗代菜は、黒夢ちゃんがいるとはいえ、寂しい思いをするわけだ。
早く迎えに行ってやらないと・・・・。かるくかけて行く俺。この角を曲がれば、紗代菜の家に着く。
そして、角を曲がろうとした瞬間、
優明:「おぁっ!?」
???:「きゃぁぁ!?」
ドン!と女の子とぶつかった。こっこれはまさか、運命的な出会い・・・!?
優明:「いててて・・・。だ、大丈夫か?悪い、急に飛び出しちゃって。」
その女の子に声をかけるが、そいつは紗代菜だった。
優明:「なんだ、紗代菜か・・・・。」
新キャラじゃないのかよ・・・・。と肩を落とす。
紗代菜:「ご、ごめん、ユウくん・・・・。」
そう言った後紗代菜はきょろきょろ地面を見て何かを探している。
紗代菜:「あれっ!?めっメガネ、メガネ・・・。」
優明:「お前は元からメガネをかけてねェだろ!!!」
バシンと目が「3」になっている紗代菜の頭に平手で突っ込みを入れてやった。
紗代菜:「きょ、今日のツッコミは冴えてるね、ユウくん。」
優明:「そ、そう?」
なんだかどうでもいいことなのに嬉しい。
紗代菜:「一昨日の夜のツッコミも、うまかったよ・・・・?」
優明:「・・・・・・・・。」
・・・・・誤解を招きそうな発言はやめてほしいのだが。

俺の家に帰ってくる。
優明:「ただいまぁ~」
紗代菜:「おじゃましまーす」
部屋へと入る。白丸はいなかった。黒夢ちゃんのめんどうを見に行ったに違いない。
紗代菜:「これなに~??」
紗代菜が俺の頑張って作ったガンプラを手にとってかちゃかちゃ遊ぶ。
バキバキガシャン!!
紗代菜:「あぁ、壊れちゃった・・・ごめんなさい。」
優明:「今明らかに故意だった!!有り得ねー今のは!!ひでえ紗代!!」
紗代菜:「ぴっ、ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪」
優明:「んなことやってもこれは直らねーよ!紗代はエスカリボルグを持ってないだろうが!!」
紗代菜:「そっそういう問題なんだ・・・・。」
嗚呼、俺のガンプラ・・・。まぁいい、形あるものは全て壊れるのがさだめ運命・・・。諦めよう。
紗代菜:「・・・・・・ユウくんも、こういう風にバラバラになるのかなぁ。」
ぽつり。
優明:「なんで!?何怖いこといってんの?なんで俺がバラバラになるの!?」
紗代菜:「あれ、ユウくん、このDVDおもしろかった?」
・・・・流された。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
紗代菜:「きゃぁぁっゴキブリっ!!」
優明:「何っ??」
そう叫んで、紗代菜が抱きついてきた。いきなり驚くだろうが。
どうやらゴキブリがでたらしい。
この狭い部屋にゴキブリ・・・・。虫が比較的苦手な俺にとっては脅威だ。
優明:「・・・あ、ホントだ。スプレーもってくる。あれ?でも紗代菜は蛾とか蜘蛛とかああいう気持ち悪い虫大好きなんじゃなかったっけ?」
たしか紗代菜はイエグモやら白い蛾やらを捕まえて飼っていたりしたはずだ。俺がやめさせたけど。
紗代菜:「蛾くんとか蜘蛛さんはいいんだよっ静かだから。でも、ゴキブリは鳴くんだもん!だからキライ」
優明:「蛾や蜘蛛にくんとかさんをつけているのはともかく、ゴキブリは鳴かないような・・・・?」
紗代菜:「鳴くよ!!ゴキゴキって。」
優明:「なんだその骨とかが折れてそうな泣き声・・・幻聴だろそれは。」
ゴキブリがゴキゴキ鳴いているところなど見たことが無い。もし鳴いていたら確かに気持ち悪すぎる。とりあえずスプレーをとりに部屋を出た。紗代菜もついてくる。
そこへ、白丸登場。
優明:「なんだ、黒夢ちゃんはもういいのか?」
白丸:「・・・・・・・・黒夢のばっきゃろう・・・・。(白丸がつぶやく。虚ろな目で。)」
・・・・・・・・・・・・・・一体何があったんだ・・・・。
白丸:「ゴキゴキ五月蝿いな。ゴキブリでも出たのか?優明。」
くそう、ゴキブリが鳴かないと思っていたのは俺だけだったのか!?
優明:「それにしても、腹が減ったな・・・・。」
冷蔵庫になんかあるはずだ。探してこよう。
紗代菜と一緒に、台所へと行く。
冷蔵庫を開けると、ソーセージがあった。これでいいか。
紗代菜には、冷凍庫に入っていたアイスを渡した。
俺がソーセージを食べようとすると、紗代菜が上目づかいでこっちを見てくる。
紗代菜:「紗代、ユウくんのソーセージが食べたい。」
そういうと、俺の返事もまたず、俺のソーセージにしゃぶりついた。
優明:「うわっお、おい!ちょ、やめろ・・・。」
紗代菜:「ぺろぺろ・・・・。うん、おいひー。はむ・・・くちゅ・・・・」
いや、しゃぶらないで普通に食えよ・・・・。
俺のソーセージを舐めまわす。食べ方など自由だが、少し行儀が悪くないか。
っていうか・・・・・。いや、なんでもない。ちょっとこれはアレすぎる。
紗代菜が、ソーセージに歯を立てた。
優明:「痛っ!?」
驚く紗代菜。
紗代菜:「ユウくん、なんでユウくんが痛いの・・・??」
優明:「いや、すまん、つい妄想が加速してだな・・・・。」
ついじゃねぇだろ俺。
ソーセージを食べ終わると、じゃあ帰るね、と紗代菜は俺の家をあとににした。
紗代菜を見送ってから台所に行くと、どろどろに溶けてしまったアイスがテーブルの上に放置されていたので、しょうがなく掃除した。

そんなこんなで、一日が終わった。

6月13日
朝。目を開ける。目の前には、白丸の顔。
はぁ・・・・また昨日もやっちゃったのか。最近は日課だな・・・って・・・・・
優明:「また寝てんのかぁぁあ!!確かにベッドが無くてかわいそうかなーとは思うけど別にモノのままになってりゃいいじゃん!なんでこんな危険な朝を俺に提供するんだ、白丸!」
大声を出しても白丸はいっこうに起きない。
白丸:「くっ黒夢!やめろ!!そこは優明の鼻の穴だぞ!?ムニャムニャ・・・・」
どんな夢を見ているんだ・・・!!
白丸は放って置いて、元気よく登校した。
優明(子供の心):「おじさん、おはようございまーす!」
おじさん:「はい、おはよ。」
道行く見知らぬおじさんにも挨拶をかかさない元気な男の子です。かわいいね!
優明(子供の心):「あ!ねこさんだ~。まてぇ~~。」
とてとてねこさんを追いかける俺。
抱きつこうとして、気がつきました。自分はねこアレルギーだったのです。これでは抱きつくことなどできません。
優明(子供の心):「うぐぅ・・・・。」

学校へ着きました。
先生、あのね。僕がもう小学生ではないということを今やっと思い出しました。あとねこアレルギーでもないよね。危ない危ない。あのままのノリで行っていたら、どこかの幼児化した名探偵のような、不自然な演技をあたりの生徒たちに見せ付けてしまうところだった・・・・。


朝のSHRなのですが・・・・。
さっきからものすごいものが見えてしまっている。
教室の生徒に混じって、あきらかに、くまの気ぐるみがいる。
本校の女子の制服を身にまとい、読書なんてしている。
長野:「優明、大ニュース!!卓男が、女と一緒に登校してきたらしいぞ!?」
長野の大ニュースとやらも耳の右から左へと抜けていく。俺の今の興味は、その謎のくまの気ぐるみに集中してしまっているのだ。
優明:「・・・・長野、俺、幻覚が見え始めたみたいだ・・・。」
長野:「へーそうなんだ。」
全く感心を示さない長野。『へーそうなんだ』は棒読みだった。週間そーなんだの題名を読むときくらい棒読みだった。
長野:「だからさ、卓男の彼女?なんだが、どうやら不良みたいでさ、髪の毛なんか染めて・・・でも可愛いらしいんだが・・・・ってちょっとどこいく優明!?」
興奮しているらしい長野を無視し、つかつかとくまの気ぐるみの方へ歩いてゆく。
優明:「おい。」
そして肩に手を置き、呼びかける。
くま:「はっはぅっ!なんですか??」
可愛らしい女の子の声でくまの気ぐるみがしゃべる。
優明:「お前の名前は何だ・・・??」
いきなり名前を聞かれてくまの気ぐるみは戸惑っていたが、一応答えだす。
くま:「わっ私は・・・『赤と青が混ざった色』と言います・・・・。」
優明:「結局『紫』じゃねぇかぁぁ!!!でてこい!!宇宙人!!!ゴルァ!!」
まんまダカーポだった。
くま:「あや、いっいきなりなんですかっ。」
優明:「あや、じゃねぇ!シャケおにぎりが大好きなんだろ!?ああ!?」
くま:「あやや、何を言ってるんですか、私は、元はくまのぬいぐるみなんです。宇宙人じゃないです。」
元はくまのぬいぐるみ・・・?まさか、こいつも白丸と同じような境遇の「モノ」だということか?怒りは収まっていく。
優明:「え、あ、そうなの・・・?ぬいぐるみとか人形も人間になっちゃうのか・・・!??」
まあ、この『赤と青が混ざった色』さんは人間になりきれていないが。
人形も人間になる・・・・?
長野:「ほら、見ろよ!!優明!!卓男の横!!」
長野が叫んでいる。卓男が登校してきたようだ。・・・嫌な予感・・・・・・・。
ズザッっと教室に登場した、満面の笑みの卓男。その横には、ピンク色のロングヘアー、ヘアバンドが決まっていて本校の制服ではない制服を着ている、明らかに見たことのある・・・
優明:「あ、あれは・・・ふじさき藤崎 さおり紗織!」
そこには、元祖ときどきメモリアルのヒロイン、藤崎紗織がいた。
優明:「長野・・・・。コレは・・・・どうなって・・・!?」
長野:「俺たちの願いがかなって、ついに二次元キャラが三次元に召喚されたんじゃないか?優明!!」
プラス思考の長野は、歓喜の声をあげる。
一体何がどうなっているんだ。「モノ」がどんどん人間のようになっていく??こんな不可思議な現象、 信じられない(Incredible)。
卓男:「グフフ、君たち、この子が僕の彼女、さおりん。ハハハ、羨ましいかい?どうだい、男子諸君。」
さっと卓男から目をそらす男子諸君。
こいつを調子に乗らせると、手に負えない。ここは、無視を決め込むしかない。
男子それぞれがアイコンタクトでそれを伝えあう。最後に、全員がこくりとうなずいた。
卓男:「なあなあ、優明。」
卓男がこっちにやってくる。なんで俺なんだぁぁぁぁ!!!
卓男:「どう?僕の彼女。うらやましいかい?グフフフ。」
無視。
卓男:「さおりん、君も優明に自己紹介しなよ。」
さおりん:「はじめまして、優明君。私、今日からこの学校に登校することになったの。」
・・・・これは無視、できない!!!!俺のような者には・・・無理だ。
優明:「そうなんだぁ・・・・こちらこそよろ・・・はっ!!」
振り向いてしまい、卓男とバッチリ目が合う。ニヤリと不気味な笑みを漏らす卓男。
卓男:「優明は、彼女いるんだっけ??」
どうせいないだろう、的な口調で卓男が俺に言う。挑戦状なわけだな。
全く、考え方も古いぜ。こんな挑発に俺が乗るとでも思っているのか。
世の中は彼女がすべてではないと一番よくわかっているのはヲタクだぜ。
ここは無視が得策!
卓男:「優明、何で無視するんだい?やっぱりいないんだろ?羨ましいかい?」
ああ、うぜー。
さおりん:「優明君、なんでしゃべらないの?」
紗織が声をかけてくる。ああっお前は邪魔しないでくれぇ!無視ができないっ!
優明:「いやぁ、おどろいちゃってさ・・・・はっ」
また卓男と目が合う。ニヤリと笑う卓男。
驚く=こんな可愛い子が卓男の彼女だなんてなんて羨ましいんだ!と思っている。と卓男は認識したのだろう。
長野、助けてくれ・・・!そう思って長野に目をやると、PSPでゲームをしている。
明らかにこっちは無視だ。
う、裏切り者・・・・。ここをどうやって切り抜ければ・・・。はっそうだ!裏切り者は巻き込んでしまえ・・・!
優明:「おぅ、長野、何のゲームをやってんの?」
長野に近づいていく俺。うわぁっなんでこっち来るんだよ!的な顔をする長野。
・・・裏切った罰だ。
長野:「ワタクシ、ニホンゴ、ワッカリッマセーン」
外人になった!!
卓男:「なぁなぁ、和明、感想は?」
この期に及んでまだ俺に話しかけてくるかっ!怒りは頂点の三歩手前くらいにまで達した。
優明:「あああ五月蝿ぇよ!!それが彼女!?ただの1分の1フィギュアじゃねぇか!!!」
卓男:「なっ何を・・・!紗織ちゃんは紗織ちゃんだゾ!リコたんそんなの信じないゾ!」
優明:「リコたんになるなぁぁぁぁぁッッ!!!!」
注・リコたん・・・魔王はじめましたの獣人キャラ。
キーンコーンカーンコーン・・・・・
よかった。授業がしろまる。じゃなかった、はじまる。

思いついた。くまやらフィギュアやら「モノ」が何故、人(?)になっていくのか。
それを白丸に聞いてみればよかったのだ。
今までなぜ白丸にお前が何者なのかと聞かなかったのか。
とても気になるじゃないか。俺は馬鹿か。
次の休み時間。遅れて学校についた白丸に、一気に問いただす。
女子生徒A:「白丸君って生徒じゃないのに学校に来ていいの??」
あああ邪魔すんなよ女子生徒A!!俺は白丸に用があるんだ!!
優明:「おい、白丸。」
白丸:「なぁに?ユウくん?」
白丸が誰の真似をしているのだか分からないが・・・。話は続行だ。たぶん紗代菜だ。
優明:「お前ってなんなんだ?何のためにここにやってきた?詳しく話してくれないか?」
途端に、真剣な表情になる白丸。これから重大な告白がされるに違いない。
女子生徒C:「白丸君、好きです!付き合ってくれませんか?」
あああ邪魔すんなよ女子生徒C!!お前じゃ無くて白丸が告白をするんだ!
白丸:「俺たちは、モノの世界からやってきたんだ。」
女子Cを無視し話しだす白丸。そう、それでいい・・・・。
白丸:「この世界とは違う次元に、俺たちの世界がある。そこから俺たちはやってきた。一応、目的だってある。」
・・・・いきなり信じられないような話だが、ここはじっくりと耳を傾ける。
白丸:「モノの世界の住人は、この世界の『モノ』に魂を宿すことによりこちらにこられる。それをするのは、神様だ。」
神様?とりあえず、神様というヤツが白丸たちをこっちの世界へ送り込んだというわけか。
こんな事態になっている今、どんな話でも信用でききてしまう。
しかし、一体なんの目的で?
白丸:「神様は、できるだけ地球を長続きさせたいと思っている。今のこの国は、モノを非常に丁寧に扱わなさすぎる。俺たちは、それを注意するために呼び出されたんだ。」
・・・・なんだかやけにどうでもいい理由な気もしないでもない。
白丸:「優明は、『百鬼夜行』というものを知っているか?」
優明:「ああ、あの百年使われた『モノ』が妖怪になって行進する、アレだろ。」
白丸:「ああそうだ。あれも俺たちの先祖だったわけだ。今までにも何回か神様はこちらの世界に俺たちを送っているんだ。」
優明:「ほうほう。そうなのか。」
白丸:「それで、俺たちはモノを大切にしない人を反省させるために送りこまれたわけなんだが、今時そんなのどうでもいいわけだ。本当は人間達を懲らしめてやらなきゃいけない。だけど今時の『モノ世界』でそんなこと考える古風な奴は一人もいない。だから俺たちはこっちの世界でモノの所有者のしもべ僕となって自由に生きることにしたのさ。」
それで神様に怒られないのか??疑問は次々と沸いてくる。
優明:「しもべ僕になる必要性はどこにあるんだ?自由にしたいなら勝手にすればいいじゃないか。」
ちっちっち、と指を振る白丸。あ、なんかカッコイイ。
白丸:「所有者の、俺たちを大切に思ってくれる気持ちがなければ俺たちは存在できないんだ。で、言う事も聞かなければならない。それがルール、規約なんだよ。」
なるほど・・・。大体わかった。
女子生徒C:「それで、白丸君は私と付き合ってくれるの?くれないの?」
女子生徒C。まだ返事を待っていたのか。つーかBはどこだよ。

授業がもうじき終了する。先生が授業をひと段落付け、皆に言う。
神崎先生:「よーし、今日はたくさん出すぞ!お前ら!」
クラス女子:「やぁん、先生、そんなに出さないでぇっ。無理だよぉーっ」
神崎先生:「このくらいでギブアップするんじゃない。もっと欲しいか??」
クラス女子:「きゃぁぁううん・・・・。ひっひどい・・・。グスン・・・今日は出さないって言ってたのに・・・・。グスン。」
今日もたくさん宿題を出す先生と、机に突っ伏して泣き声をあげる女子生徒達。
そういえば、もうすぐテストか・・・。しかし進学校でもないこの学校でテストなど頑張ってもしょうがない。
ようは、赤点さえ取らなきゃいい。
赤点を取ると、追試を夏休みを削って受けなければならない。
貴重な引きこもりシーズンにそんなことされてたまるか。

午前の授業が終わり、昼休み。

長野と適当にダベっている。クラスの違う紗代菜も来て、俺たちの話を聞いている。
長野:「なぁ、コスプレっていいと思わないか?」
長野がそう切り出してきた。否が応でも、紗代菜を思い出してしまう。意図はよくわからなかったが、アレは神だった。心の奥底に大切にしまっておこう。
優明:「いいっていきなりなんだ?誰かにコスプレでもさせたのか?」
長野:「ああ、俺の姉貴にな。いろいろ着てもらってる。」
優明:「ああ、なるほど。いいなぁ。」
紗代菜:「あれ?長野君、お姉ちゃんなんていたっけ?」
紗代菜が聞くが、長野と俺は平然と答える。
優明・長野:「ああ、妄想の話。」
紗代菜:「も、もうそう・・・・。」
紗代菜にはまだレベルが高すぎたようだ。
長野:「もし妄想をとられたら、俺は自殺するぜ。」
ふっとかっこつけながら、長野が言う。
優明:「そ、それは、作者が中二のときにつぶやいたという、伝説の・・・!!!」
なんの話をしているんだか。
金城:「○もしろそうな話をしているじゃな○か、君たち。」
一人の生徒が俺たちの近くへと寄ってくる。
優明:「お、委員長。どうしたんだ。」
彼はかねしろ金城ゆうだい雄大。性別男。このクラスの学級委員である。
こいつの話す言葉は、ところどころ聞き取りにくいのが特徴だ。全く、どんなしゃべり方をしているのだろうか。
金城:「もうお昼だ。一緒に○ーメンでも飲みにいかないか?」
優明:「ラーメンは食べるものだろうが!!!」
突っ込む俺。しょうもない。
金城:「○ーメンは飲むものですよね?紗代菜さん。」
紗代菜に同意を求める金城。
紗代菜:「うーん・・・そうかも。」
同意する紗代菜。
優明:「じゃあ紗代はラーメン食べるとき咀嚼禁止で。今から学食でラーメン食おうな。」
紗代菜:「えぇー。で、でも、チャーシューは噛んでいい?」
お前はラーメン自体を本当に噛まないで食べるつもりなのか。おもしろそうだからいいけど。
学食に到着。食券を買ってラーメンと交換し、テーブルへ。
ずるずる・・・・。
金城:「この○-メン、美味しいな!」
優明:「お前のその『ラ』は聞き取りにくい。ア行なんだから少しは注意しろよ。」
紗代菜:「なんのこと?」
優明:「いや、こっちの話。」
紗代菜:「うっく・・・ぐぅ!?」
優明:「紗代、どうした!?」
紗代菜:「のおに・・・・つあっあお。(のどに・・・・つまったの。と言っているらしい)」
涙目で苦しむ紗代菜。
長野:「・・・紗代菜ちゃんマジで『ラーメンを飲む』に挑戦したのか。ほら、水でも飲めよ。」
苦笑しながら紗代菜に水を差し出す長野。ああ、本当にやるとは。兄ちゃんホロリだよ。
紗代菜:「ダメ、水がかかると男の子になっちゃう。」
優明:「何言ってんだか・・・なれるもんならなってみろ!むしろその方がry」

教室に戻ると、なにやら白丸が服に手を引っ込めて遊んでいる。
優明:「・・・・なにやってるんだ?白丸。」
白丸:「ん?おとたけさんごっこ。」
なんて理不尽な遊びなんだ・・・。現実にもこんなことやってる奴がいたっけなあ。
たしかイニシャルがS.S.でウィルス対策ソフトいれてなかったからPCぶっこわれたり漫画没収されてたりした人。(注・内輪ネタなので無視してください)
おとたけさんごっこ・・・・・・・・・・・・・・・か。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おれもやろ。ゴソゴソ。うわーい。
長野:「おい!おもしろそうな遊びしてるな!」
こいつもノリがいいなぁ・・・。

放課後。モノに戻ってしまったしろまるをカバンにいれる。
長野:「じゃあ、俺は部活があるから。」
俺たちを送り出す長野。
優明:「今日の部活はなんなんだ?」
長野:「ふふ、聞いて驚くなよ。・・・・・野球部だ!!!」
・・・・それのどこに驚く要素があるのか。
優明:「野球部ならグラウンドにいけよ。」
長野:「愚問だな、野球はイメージトレーニングも大事・大事なんだ。今日はそれをやるのさ。」
注・大事・大事・・・まほらばのアニメのOPの曲名
そう言って、長野は目を閉じる。どうせ野球関係無しな妄想が繰り広げられているに違いない。
スキあり!!パンチを繰りだす俺。
シュッ
目をつぶったままそれをかわす長野。
フッ・・・なんでもお見通しってわけか・・・・。
紗代菜:「本当はユウくんや長野くんって、何部に入っているの?」
長野:「正式名称は妄想部。」
優明:「放送部みたいだけど全然違うのだよ。こっちの方が一段も二段も上さ。」
紗代菜:「・・・・放送部の人に怒られるよ。」


夕食。今日は親が家にいて、久しぶりにまともなものが食べられる。
母:「優明、久しぶりね。」
夕食が並べられたテーブルに座る母親と父親、俺。典型的な核家族である。
暖かい団欒。これが幸せというものです。ちなみに母親の名前はなつこ夏子、父親の名前はせいぞう誠三。どうでもよすぎる。
母:「ところで・・・まえまえから気になっていたんだけど・・・」
母が切り出す。
母:「紗代ちゃんとはもうすることはしたの?」
優明:「ぶぼ」
口に含んでいたマーボードーフをご飯に吹き出した。
優明:「つあ、それが実の母親が自分の息子に夕食で訊ねることか?せっかくの暖かい団欒が台無しだろ!あとマーボードーフも!!!勿体無い!!」
怒り狂う俺。
父:「こらこら母さん、あんまり優明をからかうんじゃない。全く。」
母に注意をするお父さん。それでこそ父だよ!!そして父は読んでいた新聞からこっちの方へ目をあげ、
父:「で、優明。紗代ちゃんとはしたのか?」
優明:「結局聞くんじゃねぇかよ!!なにがあんまり俺をからかうんじゃない、だ!!」
母:「からかってなんかいないわよ!!・・・・まじめな話よ?」
優明:「まじめにそんなこと聞いてるんなら余計ダメだろ!!」
父と母の久しぶりの猛攻。そうだ・・・こういう両親だったんだった・・・。
こいつらのせいで残念ながらこの小説はR指定に・・・。
父:「だってお前、紗代ちゃんにメイド服やスクール水着を着させていただろう?」
優明:「何で知ってるんだよ!!さてはまた監視カメラ!?もうやめろよ!!犯罪だよそれ!!」
この人たちは、昔俺の部屋に監視カメラをつけて楽しんでいたことがあったのです。
最悪ですっ。ぐす・・・。
母:「監視カメラはさすがにもうつけてないわよ。白丸ちゃんに聞いたのよ(はぁと)」
優明:「何が(はぁと)だ!!!白丸ゥゥゥ!!おのれぇぇ!!・・・・・・・…って白丸バレてるーーー!!??」
父:「あの美青年が家に住むなら大歓迎だぞ。・・・・・・母さんがな。」
優明:「母さんが!?何をするつもりだよ!?父さん許可すんじゃねえ!」
母:「寝るときはいつでも私達の寝室においでなさいって言っておいてね。」
優明:「俺のiPodを汚すな!」
母:「そんなこと言わないで、私も父さんも、良心から言っているのよ?両親だけに。」
優明:「なんでそこでシャレを!?オチなくていいよっ!!つかどこが良心なんだよ!!」

大きな声を出しまくった疲れから、その日はすぐに眠ってしまった。

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真っ暗な部屋に、少女と男はいた。そこには大きなコンピュータが立ち並んでいた。
少女:「人間・・・・多いね。こんなに多くていいの?」
幼い少女がグラフの表示されている画面を見ながら、聞いた。
男:「あんまり良くないけど・・・。大丈夫。まだまだ地球は続く。」
少女の横で立っている男が、遠くを見つめながら言う。
少女:「あの人?あの人を止めたから大丈夫になった?」
女の子が問いかける。
男:「それでも、一時的なものに過ぎない。未来を変えるには、僕達でも努力が必要なんだ。またすぐ、次の、その意思を継ぐものが現れる。」
相変わらずその男は遠くを見つめている。そこに何があるわけでもないのに。
少女:「じゃあ、また、その人も止める??」
その問いには、男は答えなかった。
男:「僕達の世界も・・・地球も・・・。平和がずっと続けばいい。」
少女はうなずいた。

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